「俺、お前のこと、もう好きじゃねーし、別れようぜ。俺、新しく彼女できたんだわー。そいつに疑われたくないし、別れよーぜってか、別れろ。」

「そーった!終わったぁ〜?ってあれ?元カノさんじゃん笑。じゃーねー笑。そぉーた!帰ろ?」
「おー。帰るか。じゃーな。」


私は声を出さなかった。というか、出せなかった。なにせ、カレに、急に別れろって言われて新しく出来た彼女が私の親友だったのだ。
しばらく時間がすぎるのを忘れていた。そして何かが切れたように涙がこぼれ落ちた。

何分だったのだろう。あるいは何時間だったのだろう?なんでなんで!と自問自答しているうちに泣き止んでいた。(泣き止んだし、今日は帰ろう…)



タラララランタララララランタラララタラララタララララン♪調子の良いリズムが響いてきた。(どこからこの音がしてるのかな?音の聞こえる方に行ってみよう。)


コツコツコツコツ…階段を降りていくと、音楽室に人の影があった。(一体誰が引いてるの?)音楽室のドアをそっと開けた。するとそこにいたのは、容姿端麗、頭脳明晰、運動神経抜群の三拍子が揃っていることで有名な、小日向奏がいた。しばらくその音楽に聞き入っていた。




「誰だ?」
見つかってしまった。仕方なく言われるがままに音楽室に入った。
「勝手に入ってきてすいません。私は小日向このみ。2年生です。」
すると彼は、
「俺は小日向奏…。お前、俺と同じ苗字だから、呼び方このみでいいか?てか、このみって呼ぶからお前は俺のこと奏って呼べ。」


(なにこの俺様口調!あ…でもさっきまでの悲しさ、なくなったかも……。。。この人なんか凄いし、感謝しんなんなー…)