失恋記念日




「……だよね、知ってる」



知ってるよ。真大がわたしのことなんて一ミリも好きじゃなかったことも。

真大がずっと、あの子のことを好きだったことも。

ずっとずっと、その恋心を消そうとしていたことも。



「その人の事、わたしよりも好き?」

「……うん」

「その人の事、わたしよりも大切?」

「うん」

「その人の事、わたしよりも大切にできる?」



じ、と二人の視線が絡まる。

まっすぐに見つめ合うお互いの瞳には、しっかりとお互いの姿が映っていた。



「うん、できる」



真大はわたしの大好きな笑顔で言った。


不思議と、思ったよりも悲しくはない。

いつかこんな日が来ることがわかっていたからだろうか。

それもある、だろうけど、たぶん、真大がちゃんと、わたしの本気の言葉に本気で返してくれたからだ。


だから、思ったよりも、痛くない。