失恋記念日



そんな真大にひとつ、最後の意地悪を。



「ねえ真大」

「ん、何?」

「わたしは、真大のことが好きだよ」

「……ありがとう。でも、」

「たぶん、これからもずーっとずっと、真大のことが大好きだよ」



真大の服の裾をきゅ、と引っ張る。


ごめんね。真大はこんなこと言うと、困っちゃうよね。わたしがこんなこと言うから、いつまでたっても遠慮しちゃうんだよね。

けど、わたしは自己中な女だから。自分のことしか考えてないから。

やっぱり、真大にはわたしに遠慮し続けてくれればいいんだ、なんて思っちゃう。


でも、たぶん、それは間違いだ。



「真大の事こんなに好きになってくれる女の子、他にいないよ」

「……うん」

「こんなに可愛くて、みんなから好かれてて、勉強も運動もできる完璧な女の子、他にいないよ」

「自分で言うか、自分で」



自分でも言う、なんて笑うと、真大も少しだけほおを緩めてくれた。

ああ、やっと。

今日初めて、真大の笑顔が見れた気がする。

学校の校門を抜けてからずっとずっと、暗い顔をして歩いていたから。気になってたんだよ、どうしたら笑ってくれるのかなって。


けど、わたしはもっとひどい顔してたんだろうな。