ほしくて、いらない。



球技大会の日、あんなに必死になっていたのは知樹のためを思ってなんだと思った。



知樹のことが好きだから、知樹のためを思って。



だけど今の未来ちゃんを見ていると、そうじゃなかったのかな、なんて思う。



「桜のその薄メイクには納得いかないけど、そろそろ時間だ!行こっか!」



美咲が立った。



「ナチュラルって言うんです〜〜」



「いいや!ナチュラルに失礼だぞ!それはただの手抜き薄メイクだ!」



言い返したいけど…



そうです、間違ってません。



「まあまあ!ほら、美咲も桜ちゃんも行こ!?」



そう言うと、私たちの手を引っ張ってゲームセンターを出た未来ちゃん。



「かっこいい人いるかな!?」

「美咲が選んだ人たち!?」

「てか高校どこの人たち!?」



カラオケに向かう途中、美咲は未来ちゃんから質問責めをくらっていた。