カラオケを出るとすぐ、お開きになった。
「じゃあまた明日ね〜〜」
「バイバーイ!」
美咲と未来ちゃんは二人で帰って行った。
「じゃ!」
山崎くんも自転車に乗って一人で帰って行く。
「俺らも帰るか!」
「うん」
私と知樹は同じ中学校。
だから乗る電車も同じで、降りる駅も同じ。
駅からは真逆の方面。
ホームに下りるとちょうどよく電車が来た。
「お、ラッキー!しかも空いてる珍しい!」
所々座れる場所はあるが、二人で座れる場所はない。
ドア近くの一つ空いている椅子に私を座らせ、その前に知樹がつり革につかまって立った。
「ありがと」
「おう」
「スクバ持とうか?重いでしょ」
「平気!男なめんなよー?」
笑って言った知樹。
「それに道具ろくに入れてねぇし、重くねえよ」
「ふふっ…そっか」