ほしくて、いらない。



あれから6階に戻り、階段に座って30分経過。


そろそろいないでしょ。


まさかあそこで最後までするわけないし。



「もう〜10時半だよ…」



いなくなったことを願いながら階段を下りる。


だいたい普通人がいるって気付いた時点でやめない?


私に気付いて “どうぞ〜”って道あけてよ。


や、それもそれで気まずいんだけど。



「…っ」




なんでまだいんのよ…男の方だけだけど。


3階の踊り場では、男がタバコを吸いながら柵に寄りかかっていた。


気にしない気にしない…


そのまま私は下りることに決めた。


ここ通らなきゃ学校行けないもん。


男を通り過ぎようとしたとき、



「盗み見ですか?お嬢さん」



男が私に話しかけてきた。