ほしくて、いらない。




「後悔したよ。なんでもっと気にかけてやれなかったんだよ、って…
もっと母親との時間を大切にすればよかった。
もっともっと母親との会話を大切にすればよかった、って…

ひとりで死んでった母親を思うと、息をするのさえ辛くなるほど胸がしめつけられた。

責任も感じた。
母親をひとりで死なせてしまった責任。
俺が息子としてもっと母親を大切にしていれば、こんなに悲しい最後にはならなかったはずなのに。

俺はその頃まだ17だった。17の俺は、ただ自分が楽しむことしか考えてなくて、遊びほろけて母親のことなんて1ミリも考えたことなんてなかったんだ。

ガキだったよ、俺」



…………。



「先生、どうしてそんなに平気な顔して話すんですか?」



そう質問すると、やっと私を見てくれた先生。



先生の顔はいつもと変わらなくて、

こんなに大切な話をしてる最中なんて思えないほど、冷めていた。



「平気な顔か…人にそう思われるほど、俺は冷めた人間になっちまったんだな」



………え?



もともと先生は冷めた性格じゃなかったっていうの?