そんなことを思いながら下りていたら、多分3階?くらいの踊り場で私の足が止まった。



「ん…っ」



………。



「あ…ぃや」



………。




「っあ…ちょ…ここじゃ…」



……リップ音が生々しい。



ですよねー…


非常階段に人が来ることなんてほとんどないだろうし、いい場所だよね〜。


耐えられなくなった男と女がそういうことするには!


ちょっとどうしてくれるの。


私ここからじゃなきゃ出られないんですけど。


なんて頭で怒ってみるものの、本人たちに直接言えるはずもなく…


もう…どうしよう。



「はぁー…」



とりあえず上に上がろう。


最後にもう一度淫らな男女を見てみると、



…っ!



男の方と目が合ってしまった。


すぐ逸らされたからわからないけど、多分…いや絶対合った。


男は私の存在に気付いたはずだ。


それなのにキスをやめないなんて…


どういう神経してんのよ。