ほしくて、いらない。




「母親とはまともに話さなかったし、まず顔合わせるのなんて1週間に2回ほど。もともと俺の母親は夜勤が多かったし、俺が遊んで帰ってくる時間にはもう仕事に出てることが多かった」



なんとなく、想像がつく。



先生はめんどくさがりやで適当な冷めた性格だから。



「俺は知らされてなかったんだ。母親が病気だったこと。病気だったことはショックだったけど、それ以上に、それを知らされていなかったことが辛かった。

なんで言わなかったんだよって…けど、今考えれば言えなかったのかもしれない。
まともに顔を合わせなかった、たまに話せば俺が面倒くさがって適当にあしらってた、俺の母親への態度は冷たかった。

そんな中で病気だってこと、息子に言えるかって考えると…俺なら言えねぇな」



先生は俯き気味に話していた。



私は先生をずっと見ているのに、先生は全然こっちを向かない。



…向いてはくれない。



先生は、

その頃のことを思い出しながら話しているんだろうか。