私は諦めて、高沢先生と病室に戻った。
「もうひと眠りする?」
「はい、そうします」
今の私に、まともに会話をする元気なんてない。
先生に早くこの部屋から出て行ってほしい。
家に帰る時間がなくても、1.2時間くらい寝る時間はあると思う。
だから先生はすぐ出て行くと思った。
しかし、一向に出て行く気配がない。
さっきまで座っていた丸椅子に腰をかけている先生。
「………………」
「………………」
いつ出て行くのか様子を伺っていたが、私は諦める。
いいや…寝よう。
寝たらきっとまた元気になる。
生きる気力が湧いてくる。
こんな気持ちまた心の奥にしまいこんで、切り替えられる。
「なぁ…」
諦めて眠りにつこうとしたとき、先生が口を開いた。
「俺さ、母親いねんだ」
………は?
何を話し出すかと思えば、先生の口から発せられた言葉は少し重い事実。
いきなりなに。
