「なにしてる。はやく戻るぞ」
ドアから顔をのぞかせた先生。
「はい?ひとりで戻れます。先生は帰っていいですよ」
「もう帰れない。あーー風呂入りてぇ」
そっか帰れないんだ。
それは私が起こさなかったからか。
起こしてあげれば良かった。
「すみません」
「いいよ。昼休憩でシャワールーム借りるから」
でもそれじゃあ湯船に浸かることはできない。
……先生がいいって言ってくれたんだしいいけど。
「早く来いよ」
先生は私と一緒に部屋に戻るらしい。
だけど私は一人になりたいんです。
今は一人になりたい。
近くに人がいるのは少しきつい。
思い出してしまった記憶を、また閉じ込めるには少し時間がいる。
私は、器用じゃないからそんなにすぐ切り替えられないの。
「先生は先に戻っててくれませんか?」
「無理だ。お前が大人しく戻ってくるか怪しい」
信用ないなぁ…
今までたくさん遊びに抜け出してきたから、
信用がないのは当たり前のことなんだけどね。
