ほしくて、いらない。





屋上に出ると、空は明るくなり始めていた。



フェンスに寄りかかって地べたに座る。



もう何度もこの場所で朝日が昇るところを見てきた。



眠れなかった日。




寝るのが早かったため、目がさめるのも早かった日。



怖い夢で目が覚めて、寝られなくなった日。



今日みたいに嫌な夢をみて目が覚めてしまった日なんかも時々。



嫌な夢で目が覚めてしまった日は、決まって思い出してしまう。



いつもは忘れているふりをして、無理やり考えないようにしていることを。



今日の夢は、いつもより少しリアルで、
いつもより少し切なくて、
いつもより、かなり堪える。


そんな夢だった。



私の5歳の誕生日の日。



あの頃の私はまだ幼くて、子供で、わがままで泣き虫な女の子だった。



だからあの日、5歳の誕生日の日、お父さんとの電話で泣きわめいた。



まだ自分のことしか考えられていなかった私は、誕生日の日に祝ってほしいという自分の欲しか考えてなくて、わがままを言ってお父さんを困らせた。