隣の病室にねー…


仲良くしようなんて思ってない。


私にはどうでもいい。



プルルルルルルル



電話…


画面に表示された親友の美咲の名前を見て、心が弾んだ。



「はいはーい」


“桜〜暇してる〜?”


「暇してる〜って、私いつも暇人だし」


“きゃはは!そうだね、だよね!”



美咲め。



「……で、どうしたの?」


“あ、そうそう!特に用はないんだけど私も暇でさ。桜に電話してみよっかなーなんて”


「…はい?授業は?」



今の時刻は午前9時半。


本来なら1限の授業を受けているはず…



“あれー言ってなかったっけ?今日明日と球技大会なんだよ”


「聞いてない」


“ごめんごめん、言ったつもりでいた”



球技大会…いいな…私も行きたい…



「行く」


“やめてよ!また倒れたりなんかしたら…”


「平気平気!じゃ!」


“ちょっ…”



スマホを置いて、壁にかかった制服に手を伸ばす。