あれからもう1週間。


私は未だに退院できないでいる。


ここは大学病院。


安定した患者をいつまでもおいておけるはずないのに…


私、だめなのかな…



「またノックしないし」



いつも通り、ノックをせずに入ってきた高沢先生。


高沢先生は、あれから毎日回診時間以外にも私の病室に顔を出す。


何かをするでもなく、ただ隣に座っているだけ。


時々話すくらいで、特に何もしない。


先生は資料を読んでいたり、何かを記入してたり、ここではそんなことをしている。


それならここじゃなくてもできるじゃんか…



「よぉ」


「ノックしてって言ってますよね」


「そうだったか?」



はぁー…


とぼけているのか、本当に忘れているのか。


明らかに前者だろう。