「なんだ。私の推測は間違っていましたか」


「ああ。残念だったな」



この人、秋田先生たちがいなくなった途端に変えてきた。


この人は黒い。


絶対性格悪い。



「あの日のことは忘れろ。言いふらすんじゃねぇぞ」



「人間って、ダメと言われたことを敢えてしたくなっちゃうんだってよく聞きますよね。私もその部類に入るかも」


「へー。いい度胸してんじゃん」


「ありがとうございます」



褒めてねーし、なんて呟いて高沢先生は病室を出て行った。


だいたい言いふらすも何もここに私がそんなことを話す親しい人なんていない。



高沢。


彼は私の苦手なタイプだ。


気を抜けば彼のペースに巻き込まれてしまう。


私のペースを乱してくる。