ほしくて、いらない。




どうやら秋田先生が私に紹介したい先生は、隣の病室で捕まっているらしい。


…ていうかどうして私に紹介したいの?


もしかして担当変わるとか?


私に紹介したいなんて、その可能性高そう。



「すみません。お待たせしました」



石田さんが出て言った数分後、



そう言って石田さんと入ってきた人物は背の高い男の先生。


……………………



……………



………



…よく覚えている。



あの日、

球技大会の日、

非常階段で会った破廉恥な男だ。


忘れるはずがない…


憎たらしいほど整った顔は、人を魅了するには十分すぎるくらい。


なんであなたが白衣を着てそこに立ってるの…



「高沢先生だよ。これから私と交代で桜ちゃんの担当をしてもらうんだ」


「高沢です。よろしく」



秋田先生に続いて挨拶をしてくれた男。


無愛想?


なんか冷たい感じがする。


ていうかなにその態度…この間とはまるで別人じゃん。


この間は口が悪くて、私のことバカにしてたくせに。