「おはよう桜ちゃ〜ん」
「おはようございます」
「今朝の調子はどうだい?」
「いつも通りです」
「そうかい、それは良かった。じゃあ胸の音きこうかね〜」
私の主治医である秋田先生は、もう歳のとったおじいちゃん先生。
優しい雰囲気を持ったおじいちゃん。
雰囲気だけでなく、ちゃんと優しい。
秋田先生は、私がこの病院に来た時からずっと私の担当をしてくれている。
「音もいい感じだね〜。じゃああとよろしく」
秋田先生は隣にいた看護師さんに声をかけて病室を出て行った。
「桜ちゃんよく眠れたー?」
血圧を測ってくれているのは看護師の石田さん。
石田さんは2年前からこの病院で働く、若いお姉さん。
「はい、眠れました」
「そっかそっか!今日少し顔色悪いし点滴打っとくね」
「はい、ありがとうございます」