ほしくて、いらない。



「これからどうしよっか」


「お腹すいた〜お昼食べない?」



私の言葉に美咲が答える。



時計を見ると時刻は12時半。


あ……


お昼…持ってくるの忘れてた…


購買行かなきゃだー…



「え、桜ちゃん!知樹くんの試合みないの?」



未来ちゃんの声に私と美咲が振り返る。


あーやっぱり良い子なんだ。


さっきの知樹の言葉に、しっかり応えようとしてるんだ。



「みないみない」


「でも、知樹くんは観てほしいから言ったんだよ!」



………。



「だろうね」



観てほしいから知樹がああ言ったのは私でもわかるよ。


でもあれはふざけてる部分もあるし…



「わかってるなら観てあげなよ!」


「私が観たいと思わないから観ないんだけど…」


「知樹くんの気持ちに、応えてあげたほうが良いと思うの!」