ほしくて、いらない。



「桜ちゃん久しぶりだね!」



美咲の後ろにいたひとりのクラスメイトから声をかけられた。



「未来ちゃん」



未来ちゃんは、美咲の仲良しの友達。


私が学校にいないことが増え、その間に仲良くなったらしい。


今美咲の一番近くにいるのは未来ちゃんだ。



「体調は大丈夫なの?」


「平気。今回はただの検査入院だもん」


「そっか、良かった〜!」



そんなに仲良くない私の体調を気遣ってくれる未来ちゃんは、きっと良い子。


小柄で、ふわふわした雰囲気を持っていて、うさぎみたいな女の子。



「無理しないでね?また脱走した先で倒れたりなんかしたら、私たち焦るよ〜」

「そうそう!この間だってびっくりしたんだからね!後ろ振り返るといきなり苦しそうに胸おさえてるんだもん」



未来ちゃんに続いて美咲が言った。