ほしくて、いらない。



「ねぇ先生」


先生には、忘れられなくて辛い過去があるんだよね…?


「なんだ」


先生の傷んだその胸には誰が包帯を巻いてあげるの?


…先生、手当てしてくれる人はいるの?


「嫌な過去を持ってる人ってたくさんいますよね」


「…だろうな」


辛いなら誰かに寄りかかったっていいじゃん。


苦しいなら、


…周りに助け求めたらいいじゃん。


「先生もそのひとり」


これからもひとりでその傷を抱えていくつもりなの…?


「何が言いたい」


その痛みにひとりで耐えるんですか…?


前に先生、私に言ったじゃん。


崩れる前に周りを頼れ…って。


ねぇ先生?


その言葉、そっくりそのまま先生に返すよ。


先生、


私が包帯を巻いてあげるから…


それじゃ…だめ?


先生、


先生の痛いとこ私が消毒してあげるから…


それでいいよね…?


先生、


私は、先生が寄りかかることのできる支えにもならないかな…?


私が、



……



私が…


………



私が…っ



………っ、