ほしくて、いらない。



「最近…どうですか?」


「と言いますと?」


私が考えている間も、二人の話は進む。


起きようかと迷っていた私だが、次に聞く石田さんの言葉で思考が止まる。



「恋…とか、してますか?」


………恋。


先生の、恋…。


先生は、


その質問に答えない。


「何か…答えてくださいよ…」


答えようとしない先生に痺れを切らしたのか、石田さんのさっきより低くなった声が響いた。


…あれ、


石田さんと先生は、ただの看護師と医者という関係じゃない?


石田さんの苦しんでいるような声から、過去に二人の間に何かあったような、そんな気がした。


……え、


石田さんと先生は、昔からの知り合い?


もしかして、付き合っていたとか…


先生が、思っている人って…


もしかして…


……石田さん…?