本当にこの感情は、
認めてしまって良かったものなの?
また傷つくことは明らかなのに?
やっぱりいらない感情なんじゃないのか。
また、私を苦しめる感情なんじゃないのか。
今ならまだ間に合う?
もう一度、無かったことに…
「あの…」
そう思っていたとき、今まで黙っていた石田さんが口を開いた。
「はい」
冷たく返した先生。
「…どうして…この、病院に…?」
「それを石田さんに話す必要ってありますか?」
「いや…すみません。ただ気になっただけです」
私は起きた方がいいのだろうか?
いや…私が今起きれば、きっと二人は話をやめる。
だけどこのまま寝たふりをすれば、不可抗力だが盗み聞きというものになってしまう。