ガチャ
「あ…高沢先生…」
「お疲れ様です」
「お、お疲れ様です」
俺とこのガキと二人だった休憩室に、看護師の石田さんが入ってきた。
少し吃った石田さん。
無理もないか…
気まずく思うのもしょうがない。
「あ…あの、コーヒー飲みます?」
「いえ、結構です」
「そうですか…」
石田さんの気遣いを、俺は断った。
コーヒーをいれ、石田さんは俺から少し離れたパイプ椅子に座った。
どちらから話すこともなく、この部屋には俺が紙をめくる音だけが響く。
ついさっき石田さんの気遣いを断っておきながら、俺はコーヒーをいれるため立ち上がる。
「あ、私やりますよっ」
「いえ、結構です」
もう一度しっかり石田さんの好意を断る。
「あ、す、すみません」
俺がこんな態度をとっているから尚更、石田さんは気まずく思うのだろう。
だけどこの俺の態度は、俺から石田さんへの線引き。
