ほしくて、いらない。



だから慰めてやってもいいかな、なんて思った。


だからあいつに俺の胸を貸したんだ。


………………


………


…いや、


本当は違う。


本当の理由は…また別にあり、思い出したくもない過去。


“…せんせっ…”


こいつが俺を呼んだとき、


柄にもなく胸が締め付けられた。



“……もっ、と、”



こいつが俺を求めたとき、


柄にもなく…心が揺れたんだ。


こいつが精一杯声を殺して泣いている姿を見て、


噛み殺して掠れた、

こいつの小さな泣き声を聞いて、



…思い出してしまったんだ。



…こいつと、あいつが、重なって見えてしまったんだ。



こいつの裏にあいつを見た。


だから放っておけないと思った。


だから、俺らしくもないのに、優しさを見せてしまった。