ほしくて、いらない。




え…


なに…


いや、ちょっと待ってよ…


どういう状況ですか。


どうして私が先生の腕の中に?



「…なんなんですか」



「ははっ…俺に抱きしめられてもまだそんな落ち着いていられるんだ」



いつもより近くで聞こえた先生の声に、胸が鳴った。


落ち着いていられるわけないじゃないですか。


今だって、私の心臓は騒いでいます。


きっと先生は気付いている。


私の鼓動のはやさに。


それなのにこんな風にからかってくる先生は、


やっぱりいじわるだ。


「離してください」


やめて…


気付かせないで…


こんな気持ち、


私には不必要なもの。


いらないの。


「かわいくねぇ」


知ってるもん…


わざわざ言わないでよ…


そんな言葉にだって今の私の心は乱されるの…