ほしくて、いらない。




彩の瞳から溢れた涙が、彩の今までの苦しみを物語っている。



本当に…ごめんね。



ごめん…



私がこんなにも彩をボロボロにしたんだ。



「…さない…」



…え?



「絶対に…許さないんだからっ」



そう言って去って行った彩の背中が、目に焼き付いて離れない。



…許さなくていい。



彩が苦しんだ分…



彩の気が済むまで、



私が受け止めるから。



それで彩の気が少しでも晴れるなら、



私が受け止めるから。



……………



雫が一粒私の頬を伝った。



我にかえった私は、辺りが真っ暗なことに気づいた。



雨が降り出したらしい。



どれくらい時間が経ったのか。



帰りたい。



帰りたいのに体を動かすことができない。



はぁー…



……



今泣いてもバレないよね…



雨に紛れて涙なんてわかんないよね…



なーんて…思ってみても涙なんて出てこない。