ほしくて、いらない。




「久しぶりだね、桜。いつぶり?」



「…………」



「あれ?なんか冷たくなっちゃった?てか目に色がないんだけど〜〜」



……彼女の名前は滝本彩。



私の幼馴染だった人で、私が、あの時まで一番仲が良かったと思っていた人。



私と彩は中2の秋まで、東北の小さな町で仲良く過ごしていた。



あることがきっかけで、私は中2の秋、関東の都会に引っ越しをした。



そして私たちは離れ離れになった。



「桜、いきなりいなくなっちゃったんだもん。寂しかったよ〜〜?」



眉を下げて笑っている彩の瞳の奥は、きっと笑っていない。



「何か言いなさいよ!!」



思った以上に強く押された肩に、バランスを崩して尻餅をついてしまう。



そんな私の前に彩はしゃがんで私を睨みつけた。



「ねえ、自分が何をしたか忘れたわけじゃないよね?散々うちの心ボロボロにしといて、そんなうちを放置してお前は逃げたんだよ」



「ごめん、なさい…ごめんなさいごめんなさいごめ…「しつけぇんだよ!」



「私ね、この街に越して来たの。お前がいるとは予想外だったけどね〜。けど丁度いい。いい機会だから、あの時のお返し、してあげるね?」



そう言って笑った彩の瞳は、黒くくすんでいた。