ほしくて、いらない。




「もういいでしょ、邪魔」



「も〜〜相変わらずツンツンなんだから〜〜」



なんとでも言え。



興奮状態のまま自分の席に帰って行った。



はぁー…



思わずこぼれたため息。



「なに桜って彼氏いんの?」



今度は隣に座っている知樹が食いついてきた。



「いないけど」



「あ、そう」



は?聞いといてそれだけ?



まぁどうでもいいけど。



こぼれそうになったため息を飲み込む。



「彼氏以外とそういうこと、しない方がいいと思うけど」



未来め…声が大きいんだよ。



わかってるよ。



心の中でそう呟き、



私は知樹の言葉を無視した。