ほしくて、いらない。



「そう。」



男から威圧的な視線を感じる。



意を決して男と目を合われば、



高沢先生の視線に一瞬怯えそうになったが、なんとかニコッと微笑んで見せた。



エレベーターの扉が閉まると同時に、安堵のため息が漏れた。



いや、無理。



もうこれで尚更定期検診いけない。



行くつもりはなかったけどもう絶対行けない…



心が落ち着いてきたと同時に、複雑な気持ちになった。



うん、先生だって男だもん。



しかもあんなイケメンだし、



彼女だっていて当然。



もしかしたら結婚してるかもしれないし。



…指輪つけてたっけ?



ん?その前に結婚してたらここ使わないか…



あ、子供がいてお家じゃできないとか!



………



…もうやめて私の頭。



余計なこと考えないで。



何も考えないくていいから。