翌朝。一時間目の授業はお休みで、片付けのための時間が設けられた。


と言っても、先生不在の教室で、片付けや掃除なんて順調に進むはずもなくて。


「見て見て、メイド服ゲット!似合う?」


太一が誰かの忘れ物を拾ってきてはふざけているのを見て、私は思わず吹き出しそうになる。


「ちょっと!真面目にやってよ!ていうかそれ私のだし!」


古澤さんの怒鳴り声と、みんなの笑い声が同時に教室に響いた。


「あははっ。太一くん小学生みたーい。ね、ナナちゃん」


お腹を抱えて笑う琴里に、


「だねえ」


と私も笑顔で返すけれど……ちょっとだけ、引きつってしまったかもしれない。