そう思うと気が遠くなりそうだ。

足を踏ん張らせ、どうにか立っているのがやっと。


そろそろ限界かも。

恥ずかしいけど、近くにいる先生に話して後ろで休ませてもらおう。

座れば少しは目眩も痛みも和らぐはず。

迷いながらも覚悟を決め、フラフラする足取りで生徒の間を抜けていく。


「ごめんなさい」

小声で謝りながら、体育館脇にいる先生の元へ行こうと足を進めていたとき、グラリと揺れる視界。

それはまるでスローモーション映像のようだった。


反転する世界。

目に映るのは体育館の天井。

そして全身に襲ってきた鈍い痛み。


「痛っ……」

意識が朦朧とし、周囲にいた生徒たちの叫び声が響く中、私が最後に見た景色は一目散に駆け寄ってきたカレの姿だった。