私が柳瀬のことを好きだって気づいたからって、笹沼くんにはなにも害はないでしょ?
迷惑だってかけていないはず。
それなのに「ウザイ」って言われたり、「腹が立つ」って言われたり……。
それはやっぱり笹沼くんは私のことを嫌いだから?
答えが知りたくて顔を上げる。
するとなぜか目を逸らされ、あれほどきつく握られていた腕は解放された。
「やっぱ光莉のところへは、俺ひとりで行くから」
「え? あっ、笹沼くん!?」
誘われたとき同様、一方的に言うと笹沼くんはさっさと光莉の家の方へと行ってしまった。
呆然とカレの背中を見つめてしまう。
「……なんで私を誘ったの?」
すっかり姿が見えなくなった頃、ポツリと漏れる声。
光莉のためって言って無理やり連れてきておきながら、ここまで来て帰っていいなんてあんまりだ。
笹沼くんがなにを考えているか分からない。
けれどこれだけは言える。
笹沼くんに私の気持ちを知られてしまっているということだけは――。
しばらくの間、私はなかなか家路に着くことができなかった。
迷惑だってかけていないはず。
それなのに「ウザイ」って言われたり、「腹が立つ」って言われたり……。
それはやっぱり笹沼くんは私のことを嫌いだから?
答えが知りたくて顔を上げる。
するとなぜか目を逸らされ、あれほどきつく握られていた腕は解放された。
「やっぱ光莉のところへは、俺ひとりで行くから」
「え? あっ、笹沼くん!?」
誘われたとき同様、一方的に言うと笹沼くんはさっさと光莉の家の方へと行ってしまった。
呆然とカレの背中を見つめてしまう。
「……なんで私を誘ったの?」
すっかり姿が見えなくなった頃、ポツリと漏れる声。
光莉のためって言って無理やり連れてきておきながら、ここまで来て帰っていいなんてあんまりだ。
笹沼くんがなにを考えているか分からない。
けれどこれだけは言える。
笹沼くんに私の気持ちを知られてしまっているということだけは――。
しばらくの間、私はなかなか家路に着くことができなかった。



