でもこんなの、自分勝手な思いだったのかもしれない。

大きく間違っていたのかもしれない。


フラフラした足取りで駅へと向かっていく。


柳瀬の気持ちを聞いた日、タオルを掛けたのは私だってちゃんと言えばよかった。

言った上で、光莉とのことを応援すればよかったんだ。


ただのきっかけであって、柳瀬は光莉の内面を見て惹かれたのだから。

光莉にだって――……!


後悔ばかり押し寄せてきて、押し潰されてしまいそうだった。


苦しくて辛くて痛い。


こんな未来、望んでいなかった。

私は……!


「なにやってんだよ」


急に勢いよく掴まれた腕。

驚き顔を上げると、視線の先には焦った顔をした笹沼くん。


「光莉の家に行って、どうして皆森さんが泣きそうになっているわけ?」

「笹沼くん……」


どうしよう、笹沼くんの顔を見たら一気に泣きたくなってしまった。


涙は堪えることができず、道端で腕を掴まれたまま声を上げて泣いてしまった。