全力片思い

次の駅に到着し、乗客が入れ替わり乗り込んでくる。

そしてまたゆっくりと電車が走り出す。

「だから皆森さん、電車から降りて光莉の家に行こうと思ったわけだ」

「……うん」


言い当てられ、居心地が悪くなる。

それはつまり学校をサボろうとしていたことになるから。


「皆森さんの気持ちは分かるけど、今はそっとしておくべきじゃない?」

「え?」


「光莉は自分の気持ちが決まるまで、ひとりで抱え込むタイプだから。……でもきっと光莉のことだから、自分の中で整理がついたら話してくれると思うよ」

説得力のある話に、なにも言えなくなる。


笹沼くんの言う通り、光莉はそういう子だ。

悩んでいることがあると、とことん自分で考える。

光莉と出会って約二年。


そういえば光莉から悩みを相談されたことは、なかったかもしれない。

いつも事後報告で、柳瀬のことだって――。