全力片思い

改札口を抜けるのに鞄から定期を出したときだった。

「え、柳瀬……?」

改札口付近に立つカレの姿を視界が捉えた瞬間、びっくりし声を上げてしまった。


「あ、おはよう皆森!」

声に気づいた柳瀬は私を見つけると、コートのポケットに手を突っ込んだまま歩み寄ってきた。


「おはよう。え、どうしているの?」


いつもの時間にいるはずのない柳瀬に、頭の中は軽くパニック状態。

けれどよく見ると柳瀬は浮かない表情で、あれ……? 思ってしまった。


だって昨日光莉に告白して、絶対うまくいったはず。


よく考えれば柳瀬は報告するために、わざわざ私のことを待っていてくれたのかもしれない。――でも、それにしては浮かない顔だ。


柳瀬の性格からしてすぐ顔に出ちゃうから、満面に笑みで来てもおかしくないのに。


疑問が膨れ上がる中、柳瀬は言いにくそうに頭を掻きながら話し出した。


「ほら、皆森には昨日世話になっただろ? だから一番に報告しようと思ってさ」

「……うん」

実に柳瀬らしい考え方だ。