もう後悔したくない、泣きたくない。


明日、ふたりから付き合うことになったって聞いても笑顔で「おめでとう」って言いたい。

だから今だけ――。


自分に何度も言い聞かせながら声を押し殺し涙を流していく。


柳瀬への気持ちも涙と共に私の中から流れてくれればいいのに。

すぐにはきっと消せないと思う。

でも思いっきり泣けば忘れられるかもしれない。

少しずつでも前に進めると思う。



ずっと好きだった、大好きすぎて告白も出来ないほどそばにいたかった。

私にとって柳瀬は初恋の人。

さようなら、私の初恋――。



笹沼くんは私が泣き止むまでの間、ずっと優しく背中を撫で続けてくれていた。