全力片思い

「いいよ! そのときはウザイくらい慰めてあげるから」

伝えると柳瀬はホッとしたように、口元を緩めた。

「ありがとう、皆森」

そして優しい声でお礼を言うと、駆け足で去っていく。


徐々に小さくなっていく柳瀬の背中。

次第に足音も聞こえなくなった頃、堪えていた想いが涙にかわって溢れ出した。


「柳瀬ッ……!」


ポタポタと落ちていく雫。

なぜだろう、こうなることは覚悟していたはずなのに。


柳瀬の“ありがとう”の言葉が胸に突き刺さった。


私は柳瀬に“ありがとう”なんて言ってもらえる資格なんてないから。


だって私、柳瀬に嘘ついちゃっているんだよ? 本当は柳瀬のことが好きなのに――。


最初から全力で応援していたわけではなかった。
それなのに――……。


想いが溢れて止まらない。

静まり返った校舎内に響く鼻を啜る音。