全力片思い

「なに? 消しちゃだめだった?」

あまりに私がまじまじと見つめてしまっていたからか、笹沼くんは居心地が悪そうに顔を顰めた。


「ううん、消してくれてありがとう! ただその……笹沼くんって本当に背が高いなって思って」


そういえばいつも私は見上げて話している。

それだけ私と笹沼くんの身長差があるんだよね。


柳瀬とはほぼ同じ目線だからかな。

改めて思うと変な感じがする。


「そりゃ男だしね。……まぁ、同じ男でも低い奴は低いけど」

ボソッと囁くと笹沼くんは柳瀬を見た。


笹沼くんの嫌味も聞こえないほど、柳瀬は光莉との話に夢中だけど。

「……アホらし」

ふたりの様子を見て呆れたように呟くと、笹沼くんは自分の席へと戻っていく。

「あ……っ」

思わず声が漏れ、後を追ってしまった。

「あほらし」なんて言っているけれど、心の中では違うことを思っている気がして。