全力片思い

「おい、人が消してやろうとしているっつーのに、なに笑っているんだよ」

「だってー……!」


さっきの光景を思い出し、さらに目の前では柳瀬がむくれているものだから、笑いは収まりそうにない。


「本当に失礼な奴だ」

すっかりご機嫌を損ねてしまったようで、柳瀬はそっぽ向いてしまった。


「ごめん、あまりに柳瀬が一生懸命だったからさ」

「理由になってねぇわ!」

「なにやっているんだよ」


騒ぐ私たちを見兼ねてか、笹沼くんと光莉がやって来た。

「どうかしたの?」

心配そうに聞いてきた光莉。

「いや、黒板の上の方に書かれちゃって消せなくて」


しまった、またやってしまった。

ここは教室。

光莉も見ているというのに……!

また歩く会のときのように、誤解を与えてしまったかもしれない。