全力片思い

「ただこういうところで話すような内容じゃないから……」


ドギマギする胸を咄嗟に押さえながら言うものの、笹沼くんは納得していない様子で、またジリジリと詰め寄ってきた。


「仕方ないだろ? 教室では幸と光莉がいるし。それともなに? 皆森さんはこの話をふたりの前で堂々としてもいいわけ?」

「そんなわけないじゃない!」


すぐに否定すると笹沼くんは溜息を漏らした。

「だからこうして話しているわけ。……最近、話せていなかったから」


なぜか胸がトクンと鳴ってしまう。

笹沼くんの言う通り、最近私たちは言葉を交わしていなかった。


噂のこともあって、いつも以上に話さないようにしていたからかもしれないけど、もしかして笹沼くんもそうだったのかな?


「とりあえず買ったら?」

「あっ、うん」


私に飲み物を買うように促す笹沼くん。

言われるがままイチゴオレを買うと、カレは「こっち」と首で合図を送ってきた。


「ここで話すようなことじゃないんだろ? だったら場所変えよう」

「……うん」