全力片思い

あぁ、そっか。

私……柳瀬から光莉を好きになったって聞いたときから、負けるって分かっていたのかな?

だから自分の気持ちは伝えない、柳瀬と今のままの関係でいたいと願ってしまったのかもしれない。


柳瀬にタオルを掛けたのは私なのに、怖くて真実を告げられなかったのかもしれない。


光莉が相手なら勝てないと分かっていたから。

親友だからこそ、光莉のすべてを知ってしまっていたから……。


「昨日怪我しちゃったけど、嬉しかった。……柳瀬くんが先生のところまで運んでくれて」

光莉の口元は嬉しそうに弧を描いていく。


「見た目以上に逞しくて男の子なんだなって実感しちゃって。……柳瀬くんって優しいよね。誰に対しても態度変えたりしないし、そういうところもいいなって思えて……」

「うん……」


痛いほど分かる光莉の話に相槌を打ちながら耳を傾けた。


「お母さんが仕事で抜けられなくて病院に来られないって知ったら、付き添いの先生に無理言って迷わずついてきてくれたの。……すごく心強かった」

柳瀬らしいな。そういうところ本当にそう思うよ。