押し潰されそうなほど胸が苦しくなっていく。

私の気持ちに気付くはずもない柳瀬は、容赦なく胸に突き刺さる言葉を並べていく。


「それでさ、同中のよしみで協力してほしいんだ。皆森、小松崎さんと高一のときから仲が良いだろ? な? 頼むよ、このとおり!!」


両手を顔の前で合わせ悲願する柳瀬に胸が張り裂けそうだ。


応援なんてできるわけないじゃない。

だって私は柳瀬が好きなんだよ?

タオルを掛けたのは私。

あのタオルだって私の物だ。


でも……それが言えないのが私。

「……もー、仕方ないから同中のよしみで協力してあげる」

「本当かっ!? 恩にきる!!」


パッと柳瀬の顔は明るくなる。

なにやっているんだろう、私。
好きな人の恋を応援するとかバカでしょ。