全力片思い

光莉は偶然なんて言っているけど、本当は違う気がするから。

きっと笹沼くんは私と同じで光莉がいるから、わざわざここに来たんじゃないかな?

複雑な思いで三人の話に耳を傾けた。


「そうなんだ。でもいいよな、幼なじみって。俺にはいないからちょっと憧れる。皆森もそう思わないか?」

「え? あっ、うんそうだね」


不意に話を振られハッとし言うものの、柳瀬は顔を顰めた。

「なんだよ、ボーっとして」

「ごめん、ちょっと」


なんとか誤魔化し切り抜けた。


それからも私たちの間には微妙な空気が流れたまま、食事を済ませた。


「出発する前にトイレ行ってきてもいいかな?」

「あっ、じゃあ俺も行く」

身支度を整えた頃、光莉がトイレに行くと言うとすかさず柳瀬も声を上げた。

「悪いけど、ちょっと待ってて」

柳瀬はそう言いながら私と笹沼くんに小さく「お願い」ポーズを見せた。