全力片思い

「それ、自分で作っているの?」

「まさか! 私は光莉と違って料理が苦手なこと、知っているでしょ?」


ジロリと柳瀬を睨んでしまう。

すると柳瀬はニヤリと笑った。

「知っているからわざと聞いたんだよ」

やっぱりそうだった。


柳瀬とは中学三年生のとき、同じクラスだった。

当時の調理実習で同じ班になり、見事に私が料理ベタだということを知られてしまったのだ。

しばらくネタにされて、からかわれていたっけ。

昔のことを思い出すと、今でも口元が緩んでしまう。


「なにニヤついているんだよ、料理が下手だって知られて頭がおかしくなったか?」

「はぁ? そんなわけないでしょ!? ……それに別にニヤけてなんていないし!」

すぐに表情を引き締め反論する。

「いいや、ニヤけていただろうが」

「ニヤけていません!」