全力片思い

光莉の代わりに柳瀬に伝えてあげようとしたとき。

「バカ、光莉は自分で毎朝作っているんだよ」

パンを食べながら言ったのは笹沼くんだった。

「え、そうなの?」

驚いた柳瀬が確認すると、光莉はためらいがちに頷いた。


「そう、なんだ。すごいね」

すぐに明るい声を出す柳瀬だけど、明らかに表情は強張っている。

きっと光莉が自分でお弁当を作っているってことを、笹沼くんが知っていたからだと思う。


せっかく雰囲気良く昼食に入れたのに、またスタートする前に戻ってしまったように微妙な空気が流れてしまう。


どうしよう、この雰囲気。

周囲にいる他のチームはほのぼのと昼食を楽しんでいるというのに、私たちは……?


打破しようと模索するものの、気の利いた話が思い浮かばない。

とりあえずお弁当を食べ進めていると、柳瀬と目が合った。

「そういえば皆森は?」

「え? なにが?」

突然の主語のない問いかけに聞き返すと、柳瀬は私のお弁当を指差した。