全力片思い

でもそうだとしたら笹沼くんはどんな思いで、柳瀬の話を聞いているのかな? 私と同じ気持ちになったりしている?


それなのにいつも通りなんだもの。……そう思うと笹沼くんってすごいなって思う。

今もひとりだけ通常運転だし。


「それじゃ行こうか」

「うん」

チームそれぞれにストップウォッチが渡され、時間差でスタートする。


コースは学年ごと、チームごとにそれぞれ違っており、同じ三十キロの距離をどれくらいの時間でゴールできるかを競うことになっている。


もちろんその途中にはチェックポイントがあり、先生から証拠のスタンプとちょっとした問題が渡されることになっている。


問題に正解することも必須条件で、タイムと合わせて上位チームは表彰される。


あくまで生徒同士が親睦を深めることが目的ではあるけれど、三十キロも歩くわけだし、ちょっとした商品があればいいのにってみんな話していた。

私たちのチームも順番通りスタートを切り、学校に向かって長い道のりが始まった。