私なんて次の日、どんな顔して学校へ行けばいいのか分からず散々悩んだというのに。


だけど助かった。

笹沼くんの方から「おはよう」って言ってくれなかったら、きっと今もギクシャクしてしまっていたと思うから。


席が隣同士の私たち。

柳瀬と光莉の距離が縮まっていくのを私が感じているってことは、笹沼くんも同じはず。

ふたりの背中をどんな思いでいつも見ているのかな?

自分も辛い。……でも笹沼くんの気持ちも考えると落ち込んでいられないって思う。


笹沼くんは本当にいつも通りで、見習わなくちゃって思わされる。

どうやったらあそこまで無関心ですって顔ができるのかな?って思っちゃうくらいだ。

とにかく今日は楽しもう。

光莉は今日をすごく楽しみにしていたし、私だってみんなと同じチームになれて嬉しいもの。

一々気にして楽しめなかったら損だよね。

それに笹沼くんがいるし。


不思議と笹沼くんもいるって思うと、ふたりのどんなに仲が良い場面を見せられても大丈夫な気がするの。

同じ気持ちの人がいるって思うと、耐えられる。