全力片思い

そりゃそうだよね。
今電車に乗っているのは、同じ制服を着た乗客ばかりなのだから。


嫌だな、せっかく笹沼くんとの噂が消えかけてきたというのに、こういう場面を見られたらまたみんなに誤解されて、あっという間に噂が流れてしまうそうだ。


そう思うと自然と身体は笹沼くんから離れていく。

「なんで離れるわけ?」

「え! いや別に深い意味はないんだけど……」


それを不服そうに見ていた笹沼くんは、より一層私との距離を縮めてきた。

揺れる車内。たくさんの乗客。

どうしよう、変に緊張してきた。


教室でいつも机を並べているというのに、どうして今さら緊張なんてしちゃうかな?

お互いドアに寄りかかった状態で距離を詰められては、これ以上前後左右どこにも逃げ場などない。

それがますます私の胸を高鳴らせた。


「今朝の光莉の反応……気づいた?」

今朝の――。
それはきっとあのときの光莉の反応だ。

「……うん」