全力片思い

笹沼くんも立ち上がり、今度は私を見下ろしてきた。

「気づかないほど、なにを考えていたわけ? ……今日一日中」

「――え」


なにもかも見透かしたような瞳に困惑していく。

えっと……どう言う意味?

今日一日中ってなに?

確かに一日中悶々としていた。

光莉のこと、柳瀬への気持ち。

決心したはずなのに、ゆらゆら揺らいでいた。

けれど決してみんなには気づかれないように振る舞えていたはず。


「悪いけどバレバレだから。……とりあえず電車乗るよ」

「え、ちょっと笹沼くん!?」

一方的に言うとカレは私の腕を掴み、到着した電車に乗り込んだ。

程なくしてドアは閉まり発進したわけだけど……。

「けっこう混んでいるな」

「そっ、そうだね」

掴まれていた腕は離してもらえた。
けれど突き刺さる視線が痛い。