「君の事が好き、です」

特別取り柄も無く、平々凡々を具現化した様な私に春が来ました

「・・・・罰ゲームですか?」

「斜め上の解答!?」

残念ながら、そんな少女マンガな展開に夢を見る程頭の中お花畑ではない

私はそんな風に思われて・・・・

「バカにしないで、そこまで頭パーではないから!!」

「待って、こっちの情報処理に追い付かない」
















「本気なんですか?」

「本気」

「・・・・私、そんなにお金持ってません」

全財産は先日発売した書籍をまとめ買いしたおかげで消化
残るもの達は小銭が少々

「そんなに、俺のイメージ悪いかな」

困ったように頭をかく彼は学校一のイケメンと言っても良いほどのルックスを兼ね備えている
私の様な通行人Bとの接点など皆無な程
なのだが

「嘘は付かない、君の事が好きなんだ」

付き合ってくれないか、小さな声で彼は耳を赤くしてそう言った



「あの、私で良ければ喜んで!」

ついつい後先考えずに返事をするのは私の悪い癖

ぱあァ、と笑顔を輝かせ彼は

「ありがとう、これから宜しくね!」

まるで褒められた仔犬の様にはしゃいでいる


それから数日後

私は今日起きた出来事を非常に後悔する様になった



「よろしく、有栖川 ほつれさん」

「こちらこそ」